大生(おおの)の人々が祀った「三神石祠」

新八間堀川の明橋たもとにある「水神宮」。平成28年3月5日(土)には「水神祭」が斎行されます。
ここに大生地区にゆかりの深い石祠があります。新八間堀川の開削が新田開発などにおいて,重要であったことを伝えるものと言えるでしょう。
この小さな石の祠がそうです。次のことが記されています。

【正面】額部:水神宮,胴部:金澤大明神(中),荒堀大明神(左),市村大明神(右)
【右面】大生領 拾五ヶ村
【左面】文化六己巳十一月吉日

文化6年(1809年)に建立されたようで,ざっと200年以上前です。現在の大生地区にあたる村々によって建立されています。

「市村大明神」は新八間堀川の開削に尽くした実在の「市村宗四郎」という人物です。その活躍から生前に神格化され祀られていたと伝わりますので,この祠には「その前」があったのでしょう。なお,新八間堀川の開削は約300年前です。

「金澤大明神」と「荒堀大明神」は,どちらも苗字の可能性もありますが記録等で確認できていません。「金澤大明神」は工事・工具・工務の全般を神格化したものかも知れません。「荒堀大明神」は八間堀やその機能を神格化したものかも知れません。あるいは,ときに氾濫してしまう堀川を鎮めようとしたのかも知れません。

いずれにせよ一般的な「水神様」とは別に,大生地区の人々が特別に三神をお祀りしたことに重要な意義があるものと考えられます。

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