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平成27年9月関東・東北豪雨で被災密度が極めて深刻であった橋本町。
その橋本町と縁のある,被災後もがんばるお店や人物を紹介しています。

愛し愛される老舗「石塚輪店」

4代目の石塚理治さん。

4代目の石塚理治さん。

きめ細やかな心遣いと気さくな人柄,誠実かつ確実な対応で,地元の橋本町をはじめ地域一帯から信頼され続ける「石塚輪店」。
「信頼と安心」を大切にする4代目,石塚理治さんにお話を伺いました。

創業はおよそ100年前。創業当時は,鉄砲鍛冶のお店でした。
自転車の需要が増えつつあった当時,銃身を鍛える高度な技術を活かして自転車づくりもはじめたのが「石塚輪店」の原点のひとつです。
もともとは自転車メーカーとして,「シルク自転車」というブランドで質実剛健な「ライト號」などを製造していました。

日常のパンク修理でお世話になったり,ある世代以上の方はいわゆる「学チャリ」でお世話になっていたり,多くの方々に馴染みの深いお店です。
私がお店に伺ったときも,直前までお客さんのもとへ納品や出張メンテナンスに巡られたり,来店されたお客さんの自転車を丁寧にメンテナンスされたりと,まさに地域とお店がお互いに,愛し愛される関係のお店だと感じました。

身長を大きく超えた浸水。

身長を大きく超えた浸水。

お店は新八間堀川の明橋に近く,浸水深が200cm以上。
店舗奥の倉庫も深く浸水し,ダメになってしまった商品はトラック数台分に及びました。車は仕事用も含め,4台が水没で全滅してしまいました。

被災の当日も,浸水する直前までメンテナンスなどの対応をされていました。
作業中に水がやってきはじめ,15時頃にはくるぶしの深さ,16時頃には膝の深さと,ジワリジワリと浸水深が増していきました。
お店の裏にあるご自宅へ避難されましたが,19時半頃から水位が再び上昇しはじめ,20時過ぎには一気に水位が上昇。ご自宅も床上150cm以上の浸水となってしまいました。

ご自宅の2階へ避難されたものの,周囲には油がただよったり,倒れたボンベからプロパンガスが噴き出したり,火の気にも大変心配しつつ過ごしました。

停電するなか,バッテリーも残りわずかな携帯電話から救助を要請し,翌11日にヘリコプターでの救助となりました。

「信頼と安心」に応え続ける

避難後,地域とお店の様子を心配し,避難所のあすなろの里から徒歩で明橋まで通いました。
しかし,立ち入れたのは水が引いた13日の午前中になってから。

水が引いてからは,ご家族やご親戚と力を合わせ,お店やご自宅の片付け。
自動車などが水没し移動手段に困っている方々が多いと耳にした石塚さんは,浸水したご自宅に寝泊まりしつつ早期の復旧へ力を注ぎました。
水没してしまった自転車のうち,まだまだ使えそうなものはきれいに洗浄し,移動手段の一助として提供しようと作業を続けられました。

10月1日にはお店を仮復旧でき,開店を心待ちにしていた大勢のお客さんが来店しました。
自転車を定価の7割引きで提供してくださったり,不調な部分のメンテナンスや部品交換にも無料で対応されました。
お店の再開は,片付けや復旧復興に臨む多くの方々にとって大きな支えとなりましたし,地元の人々に安心感を与えてくれました。

石塚さんは「みんなが再開を待っていてくれた。これからも頼りにされる店でありたい。」とおっしゃいます。
同時に,「被災したことによる困難は,被災者それぞれに,まだまだある。現状を広く知って欲しい。」とも。

地域とともに生き,地域を愛しているからこその思い。自然と伝わる「信頼と安心」。
復旧復興への原動力となるものが「石塚輪店」に満ちていると感じました。

写真は懐かしいものばかりを撮ってしまいました(個人的に非常に魅力を感じたもので…)。
もちろん,最新の自転車,育児向け自転車,子供用自転車,原付バイク,オートバイ,シニアカー,等々,幅広く取り扱っています。出張メンテナンスなど,アフターサービスが非常に充実しています。

お店情報

  • 営業時間:7時30分~19時30分
  • 定休日:なし
  • 電話:0297-22-1664
  • 地図: