当神社の夏越大祓では,茅の輪(ちのわ)・人形代(ひとかたしろ)・剣祓(けんばらい)を用いて罪穢を祓います。このような,祓の用具を祓具(はらえぐ)といいます。

祓具にはそれぞれ由来があり,ふるくから用いられてきました。

茅の輪-生命力・防疫・除災の象徴

当神社の茅の輪。

当神社の茅の輪。当日のみ設置するのには訳がある。

茅萱(ちがや)で作った輪が「茅の輪」(ちのわ)です。茅萱は葦(アシ/ヨシ)・菅(スゲ)・薄(ススキ)などの総称で,当神社の茅の輪は茅萱128本を用いて調製しています。八坂神(建速須佐之男命)の「八」と末広がりの「八」,陰陽で「二」を掛け,8×8×2=128本としています。

茅の輪は,スサノオノミコトの逸話から疫病や災厄を防除するものとして,ふるくから信じられています。もともとは御守として身に付ける大きさでしたが,江戸時代のころから大型化して輪をくぐる形式になったようです。

茅の輪くぐりは,8の字を描くように3度くぐります。はじめは向かって左へ,次は向かって右へ,最後は向かって左へ,という順です。

茅の輪潜り。全国の多くの神社で行われる。

茅の輪潜り。全国の多くの神社で行われる。

くぐる際には「水無月の 夏越の祓する人は 千歳の命 延ぶと云ふなり」などの和歌を唱えます。「千歳の命延ぶ」とあるように,罪穢を祓って無病息災・平穏無事に過ごせるようにという願いが込められています。

茅萱は冬に枯れても,夏には勢いよく生長して野を覆い尽くすように茂ります。生命力と再生力を象徴するものとして,祓に取り入れられてきたと考えられます。

茅の輪くぐりでは,くぐった人びとの罪穢をこれに移して祓っています。くぐった人の罪穢を吸収し蓄積するので,当神社では当日午後に舗設し,翌朝には撤去しています。