当神社の夏越大祓では,茅の輪(ちのわ)・人形代(ひとかたしろ)・剣祓(けんばらい)を用いて罪穢を祓います。このような,祓の用具を祓具(はらえぐ)といいます。
祓具にはそれぞれ由来があり,ふるくから用いられてきました。
人形代-自分の身代わり
和紙を人型に切ったものが「人形代」(ひとかたしろ)です。和紙の代わりに,木片や茅萱を人型にして用いることも有ります。
人形代は自分の身代わりとなります。大祓などでは,これに自分の罪穢を移して祓います。人形代で祓う手順は,以下のとおりです。
- 表裏を確認する(ザラザラした面が表面)
- 氏名・年齢などを裏面に記入する(省略も可)
- 表面に息を3回吹きかける(自分の分身にする)
- 「祓え給え・清め給え」と唱えながら,表面で五体をさする(罪穢を移す)
- とくに障りのある部位があればさする(罪穢を移す)
- 回収用の箱などに収める(他の人の人形代に触れない)
他の人の人形代に触れると,その罪穢が自分に移るので触れてはいけません。
罪穢を吸収した人形代は,当日のうちに神職によって川に流されるなどします。川から海へ,海から根国底国へと運ばれ,いつしか罪穢は消失します。