「ねぎ」ってナニ?-神職の職階

当サイトの「ねぎブログ」の「ねぎ」にまつわる記事です。

漢字では「禰宜(ねぎ)」と記します。神社における神職の職階(職名)のひとつです。
ブログ執筆者の職階が「禰宜」なので,「ねぎブログ」と名付けています。

このネギではなく。

よく「ネギさん」と声をかけられますが,ご存知ない人が聞いたら「玉ねぎ?長ネギ?」と思うでしょうね。
また,神職全般を「宮司さん」と呼ばれる方もいらっしゃいますが,じつはこれは誤用です。宮司は”各神社の長”である神職の職階であり,会社で例えると社長に相当します。宮司でない神職は,「宮司さん」と呼びかけられると恐れ多くてけっこう萎縮します。

では,各神職のことを何と呼びかけたらいいのでしょう。同輩までの神職には「職階」で呼んで結構ですし,年長の神職には「職階+さん」が丁寧でよろしいかと思います。

職階のほかに「階位」や「身分」といったものもあり,神職の間には厳密な区分があります。
今回は職階について,大雑把なお話をします。

職階

各神社における神職それぞれの役割・立場に対する職名を職階といいます。神社の規模などに応じて,職階の有無や人数は異なります。
また,神職の位次を決める第一のものが職階です。例えば「大規模神社の階位や身分が高い”禰宜”」と「小規模神社の階位や身分が低い”宮司”」では,職階が高い後者が上位となります。実際の影響力などは別の話です。
職階のそれぞれを簡単にまとめると下表のようになります。

 名誉宮司めいよぐうじ 長年の奉務で功績が顕著な引退した神職に,宮司の推薦に基づいて授与される。祭祀へ参列したり,宮司の諮問に応じる。引退しており神職ではない。職階外。
 宮司ぐうじ 各神社の長。祭祀の責任者。社務や神職・職員の管理者。1つの神社に必ず1人の宮司を置く(神職が常駐しない神社にも宮司は任命される)。
 権宮司ごんぐうじ 宮司の代理・代行・補佐役。「別表神社」(由緒や規模が特別な神社)にのみ置くことができる。
 禰宜ねぎ 宮司の補佐役。1つの神社に1人の禰宜を置くことができる。
 権禰宜ごんねぎ 一般的な神職。
 出仕しゅっし 見習い「神職」。見習いであり神職ではない。職階外。
  • 権宮司などの「権(ごん)」とは,「副」「次」「仮」といった意味合いです。
  • 一般的な神社では,太字で示した宮司(1名)・禰宜(1名)・権禰宜(若干名)という構成が多いです。
  • 各神社の由緒によっては,これ以外の特別な職階が置かれます。例えば,(伊勢の)神宮では,祭主・大宮司・少宮司・禰宜・権禰宜・宮掌となります。(伊勢の)神宮の禰宜等の職階は,他神社の禰宜等の職階とは別個のものとなります。
  • 名誉宮司と出仕は,神職資格を有しているものの,神職ではありません。
  • それぞれの職階に就くには,各神社側から具申のうえで,都道府県神社庁神社本庁の承認を要します。

会社での肩書にたとえると

神職の職階を会社での肩書に例えると,少しわかりやすいかもしれません。ただし,神社と会社は全く別種の組織ですから,あくまで感覚的に「だいたい当てはまるかな」というものです。

名誉宮司会長・相談役
宮司社長
権宮司副社長・専務・常務
禰宜部長・課長
権禰宜係長・主任・一般社員
出仕研修期間中・試用期間中
  • ほぼぴったり対応するのは,「宮司=社長」くらいです。
  • 上表の職称は,宗教法人法や会社法の「役員(等)」とは別個のものです。「宮司=社長」も,法律上の役員や代表権という観点では対応しなくなる場合があります。
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